トピック
立憲主義や憲法に関連するトピックを紹介します
日弁連が特定秘密保護法案への反対訴える街頭宣伝
2013.10.23
10月23日18時から、日本弁護士連合会が有楽町駅交通会館前で街頭宣伝を行なった。政府が臨時国会での成立を目指している特定秘密保護法案に反対し、情報公開の充実を訴えるもの。
日弁連の山岸憲司会長らが「本来は情報公開の充実と一緒に議論すべきであり、拙速に決めるべきでない。国民に関心を持ってもらい広く議論してほしい」などと訴え、30人余りの弁護士が2000枚のチラシを配った。

吉田忠智参議院議員が社民党党首に当選
2013.10.14
10月14日、社民党の党首選の開票が行われ、党政審会長で立憲フォーラム副代表でもある参院議員の吉田忠智(参院・比例)氏が第4代党首に選出された。12年末の総選挙と7月の参院選敗北を受けて福島みずほ前党首が引責辞任したことに伴うもの。社民党の党首選挙は国会議員も党員・協力党員も同等に1人1票を投じ、得票の多い者が当選する仕組み。党首が選挙で選ばれたのは、1996年に旧社会党から党名変更後、初めてだ。立候補したのは吉田忠智氏(57歳、参院議員・大分県連合推薦)と、石川大我氏(39歳、豊島区議会議員・東京都連合推薦)の2人。所属国会議員全員の推薦を受け、党九州ブロックや自治労党員協など労組系党員の支持を幅広く集めた現職国会議員に、ゲイであることを公表し幅広くマイノリティーの活動に係わってきた若手の区議会議員が挑む構図だった。投票権は5人の所属国会議員を含む党員・協力党員計1万7410人による一票投票で、投票率は71・67%だった。結果は吉田忠智氏が9986票、石川大我氏が2239票を獲得。吉田氏が当選した。吉田新党首の任期は2016年の党大会まで。

在特会のヘイトスピーチに賠償命令
2013.10.7
朝鮮学校の周辺でヘイトスピーチ(憎悪表現)を繰り返して授業を妨害したとして、京都朝鮮学園が「在日特権を許さない市民の会(在特会)」などを訴えた訴訟で、京都地裁(橋詰均裁判長)は10月7日、学校の半径200メートルでの街宣禁止と1200万円の賠償を命じる判決を下した。
地裁は、街宣を動画でネット公開した行為について「人種差別撤廃条約で禁止した人種差別に当たり、違法」と指摘。「示威活動によって児童らを怖がらせ、通常の授業を困難にし、平穏な教育事業をする環境を損ない、名誉を毀損した」として、不法行為に当たるとした。
在特会の元メンバーら8人は2009年12月~10年3月、3回にわたり京都朝鮮第一初級学校(京都市南区)近くで「朝鮮学校を日本からたたき出せ」「スパイの子ども」などと拡声器で連呼した。
原告側は、少数派が自らの属する民族の言葉で教育を受ける「民族教育権」を侵害されたと主張。第一初級学校を統廃合した京都朝鮮初級学校の周辺での街宣禁止や3千万円の損害賠償を求めていた。
在特会は在日韓国・朝鮮人の排斥を掲げる団体で、約1万3800人の会員を持つとのこと。訴訟では学校が市管理の公園に無許可で朝礼台などを設置したことへの反対活動とし「表現の自由」を主張した。
原告弁護団によると、特定の人種や民族への差別や憎しみをあおり立てる「ヘイトスピーチ」をめぐる損害賠償や差し止め訴訟の判決は初めて。
「九条の会」が集団的自衛権の解釈変更に反対するアピール
2013.10.7
10月7日、「九条の会」の呼びかけ人の小森陽一氏、大江健三郎氏、奥平康弘氏、澤地久枝氏が「集団的自衛権行使による『戦争する国』づくりに反対する国民の声を」とするアピール文と11月の第5回九条の会全国交流・討論集会の実施要項を発表した。
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日弁連・広島で第56回人擁護大会開催して4決議
2013.10.4
10月3・4日の両日、広島市の平和記念公園内の国際会議場で、日本弁護士連合会第56回人権擁護大会が開催された。この大会は日本弁護士連合会が主催して毎年開かれているもの。全国から約1200人の弁護士が参加した。3日は、放射能による人権侵害と憲法改正問題、格差問題の3つのテーマの分科会がもたれ。4日の大会では、前日の議論を踏まえ、4つの決議が採択された。
採択された決議は以下。
① 立憲主義の見地から憲法改正発議要件の緩和に反対する決議
② 福島第1原発事故被害の完全救済及び脱原発を求める決議
③ 恒久平和主義、基本的人権の意義を確認し、「国防軍」の創設に反対する決議
④ 貧困と格差が拡大する不平等社会の克服を目指す決議
いずれも安倍政権が進もうとする方向に対する危機感を反映した内容で参考になる。

枝野幸男衆議院議員が「改憲私案」を発表
2013.9.10
民主党の枝野幸男衆院議員は、『文芸春秋』10月号に「憲法九条 私ならこう変える―改憲私案発表」と題する論文を発表した。枝野氏は、民主党内に代表の直属機関として新設された憲法総合調査会の会長に就任したばかり。民主党の憲法論議への影響は必至だ。
枝野私案は、2005年に民主党がまとめた『憲法提言』を具体化した内容。『文芸春秋』の論文では「安倍政権の発足などによって、改憲派と護憲派の両極端な主張がますます激しくぶつかり合うことが予想される状況」を、「極論のぶつかり合いという不幸な事態」として「今求められているのは、より冷静な分析と建設的な議論によって極論のぶつかり合いを収斂(しゅうれん)させること」と述べ、“第三の道”を追求する立場を明確にした。
枝野氏は、「憲法解釈」によって「歯止め」をかけている現在の状態では「ずるずると自衛隊の活動範囲が拡大し、今後もさらに無原則に拡大する可能性がある」などとし、「『歯止め』を明文化する」ために改憲を進めるべきとしている。
96条改正反対増える――共同通信世論調査
2013.6.4
共同通信が13年6月1・2両日に実施した全国電話世論調査によると、安倍内閣の支持率は68・0%と5月の70・9%からわずかに減った。不支持率は16・3%で前回(16・2%)から微増。
従軍慰安婦などに関する日本維新の会・橋下徹共同代表の説明については41%が納得出来たと答え、53・9%が納得出来ないと回答した。
問: 憲法を改正するための手続きとして、憲法96条の発議要件では、衆参両院でともに3分の2以上の賛成が必要となっています。あなたは、これを緩和して衆参とも過半数の賛成があればよいとすることについてどう思いますか。(カッコ)内は前回5月18・19日の前回調査)
●賛成: 37.2%(37.2%)
●反対: 51.2%(48.6%)
●分からない・無回答: 11.2%(9.9%)
学者らが「96条の会」を結成
2013.5.23
安倍政権が憲法96条の改憲を明言してることに対して[立憲主義の破壊」として著名な憲法学者や政治学者などが「96条の会」を結成し、衆議院会館内で記者会見を行なった。
会長は憲法学者の樋口陽一東大・東北大学名誉教授。会見では「国会は3分の2の合意形成まで熟慮と討議を重ね、国民が慎重な決断をするための材料を集め、提供するのが職責。過半数で発議し、あとは国民に丸投げというのは、法論理的に無理がある」などと訴えた。改憲論者として知られる小林節慶応大学教授は、「憲法に縛られるべき権力者たちが国民を利用し、憲法をとりあげようとしている」と話した。
発起人は青井未帆・学習院大学教授、阿久戸光晴・聖学院大学学長、新崎盛暉・沖縄大学名誉教授、蟻川恒正・日本大学教授、石川健治・東京大学教授、石村善治・福岡大学名誉教授、伊藤真・弁護士、稲正樹・国際基督教大学教授、上野千鶴子・東京大学名誉教授、浦田賢治・早稲田大学名誉教授、岡野八代・同志社大学教授、奥平康弘・憲法学者、桂敬一・ジャーナリズム研究者、姜尚中・聖学院大学教授、木村草太・首都大学東京准教授、小林節・慶應義塾大学教授、小森陽一・東京大学教授、齋藤純一・早稲田大学教授、阪口正二郎・一橋大学教授、坂本義和・東京大学名誉教授、杉田敦・法政大学教授、高橋哲哉・東京大学教授、田島泰彦・上智大学教授、田中優子・法政大学教授(敬称略)の各氏。
会見には、立憲フォーラムの近藤昭一会長、辻元清美幹事長らも参加した。

