2013年8月8日

立憲フォーラム​

 

異例の内閣法制局長官交代に対して

 

 安倍内閣は本日8月8日の閣議で、山本庸幸内閣法制局長官を退任させ、小松一郎駐仏大使を後任の法制局長官とすることを決めた。

 内閣法制局長官は非閣僚だが、組閣の際に名前が紹介され、組閣記念撮影に参加し、閣議に陪席するなど、極めて重要なポストである。政権交代があった細川政権、村山政権、鳩山政権下でも法制局長官は継続した。

 内閣法制局長官は内閣提出法案や条約の審査、国会での憲法や法令の解釈について大きな役割を果たすことから、「法の番人」と称されてもいる。

 このため、現憲法下の内閣法制局長官は、憲法解釈を内閣に答申する法制局の第一部長を経験し、法制局次長ポストを経て就任をしてきた。行政や法律、憲法解釈の継続性を考えたルールである。しかし、新たに法制局長官となった小松氏は法制局未経験であり、集団的自衛権の容認に積極的な外務省からの初めての起用である。

 この起用により、従来まで政府が積み重ねてきた「憲法9条で許される自衛権行使は、わが国を防衛するための必要最小限度の範囲にとどまるべき」という解釈の変更に道を開こうという意図が透けて見え、大いに遺憾である。

 集団的自衛権の容認は現憲法の平和主義を空洞化し、近隣諸国の不安感を増大させる。また、内閣法制局長人事を党利党略により行うことはわが国の議会制民主主義の根幹を危うくする。

先に麻生副総理(兼財務相)は憲法改正に関連してナチス政権に言及し、「ある日気づいたらワイマール憲法がナチス憲法に変わっていた。誰も気づかないで変わった。あの手口、学んだらどうかね」と発言した。

 日本国民に気づかせないで、いつの間にか憲法を変えてしまおう、という発想は、国民主権を風化させる危険極まりない考えである。

 今回の人事も、臨時国会が閉会した翌日に決定するというやり方で、議会と国民を無視し、海外派兵と武力行使への道を開く第一歩となりかねない。

 私たちは次の臨時国会でこのような安倍内閣の憲法認識について徹底した論戦を挑む決意である。

 

以上

2013年8月15日

立憲フォーラム​

 

戦後68周年の終戦記念日にあたって

 

 1945年8月15日、日本はポツダム宣言を受諾し、戦争を終結しました。

 国内ではヒロシマ・ナガサキへの原爆投下と主要都市への空襲や沖縄戦などによって地域社会は壊滅的な被害を受けました。それはまた軍部の独裁下、  表現や結社、宗教の自由を奪われ、物質的にも精神的にも既に究極まで疲弊しきっていたところに加えられた攻撃でした。

 日本は1931年9月の満州事変以降15年の長きにわたった戦争と植民地支配によって、アジアや太平洋の人びとに多大な損害と苦痛をあたえ、国内外の戦没者数は310万人に及びました。

 私たちはこの歴史による内外のすべての犠牲者に深い哀悼を捧げます。

 あの日、人々は様ざまな思いで正午の「玉音放送」を聴きました。中には、戦争の恐怖からの解放を喜んだ人もいたでしょうし、自分たちの将来について強い不安を抱いた人もいたことでしょう。

戦後68年の今日、あの暗黒時代に戻りつつあるような気配に、不安を禁じ得ません。

 その最大のものは憲法を改正しようとする動きです。私たち「立憲フォーラム」は、憲法は為政者・権力を縛るものであるという立憲主義の原則に反する憲法96条先行改悪や自民党改憲草案の危険性と問題点を指摘してきました。

 先の参議院選挙の結果を受けた安倍内閣は、集団的自衛権の行使に対する従来の政府見解の変更を推し進める一方、憲法改正の機会をとらえようとしています。また、数に驕った安倍政権の副総理でもある麻生太郎氏は、「ナチスの手口に学ぶ」ことを勧める発言をするなど、第二次大戦そのものへの反省も忘れ去ろうとしています。

 1995年のこの日に出された村山談話は「植民地支配と侵略」を認め、アジア諸国との信頼関係構築の基礎としました。しかし、安倍内閣は、侵略や戦後政治の枠組みを否定する「歴史修正主義」の立場をとり、中国や韓国だけでなくアメリカからも大いなる懸念を持たれる事態になっています。

 8月15日のこの日、歴史の事実に率直に向き合い、謙虚にそれを受け止めることが何より必要です。そして憲法の平和主義をより豊かにすることで、相互が信頼しあえる未来を次世代に手渡すことを誓うことこそが、犠牲となられた方々と現在、未来の人々への責任であることをしっかり確認したいと思います。



以上 

2013年9月11日

立憲フォーラム​

 

9・11メッセージ

 

 2001年9月11日のニューヨーク・ワシントンDC同時多発テロから本日で12年になります。あの日、多くの命が失われました。そして、そのテロを理由にまずアフガニスタン、次いでイラクで戦端が開かれ、戦争が起こりました。アフガニスタンでもイラクでも、いまだ戦火が止むことなく、人々は暴力による恐怖と不安の中で過ごしています。そしていま、シリアへの武力攻撃が準備されています。 
 内戦が続いているシリアでは、シリア政府の化学兵器使用疑惑が取りざたされ、米国のオバマ大統領は国連安保理や米国議会の承認がなくともシリアに対する攻撃は可能であるとの見解を明らかにしました。2003年のイラク戦争に際しては、米国はイラクが大量破壊兵器を保有していることを攻撃理由の一つに挙げていましたが、米国がイラク全土を占領してもそれはついに発見されませんでした。
ブラウン大学の研究グループの報告書によれば、今年で開戦10年を迎えるイラク戦争の犠牲者は最大で18万9736人に上り、このうちの7割以上にあたる13万4000人が戦闘に巻き込まれて死亡した一般市民だといいます。

 シリアでの化学兵器使用問題にはきちんとした対策が必要です。ロシアが提案するシリアが保有する化学兵器を国際管理下に置くという提案をアメリカが受け入れ、シリアへの武力攻撃を回避すべきです。アメリカがこうした国際的な努力を無視し、イラク戦争を教訓化せずにシリア攻撃を行うなら、私たちは断固として抗議の声を上げなければなりません。また、仮に武力攻撃が実行された場合、日本政府が支持を表明したり、後方支援するようなことは決して許されません。 
 一方で安倍内閣は、集団的自衛権の行使に対する従来の政府見解の変更を目論むと同時に、憲法9条改正の機会を狙っています。憲法を時の政権が自分に都合よく解釈できる仕組みをつくると同時に、現行憲法を無力化する国家安全保障基本法を制定しつつ、数の力で改憲を強行しようとする意図が見て取れます。

 また、同じ安倍内閣が準備している秘密保全法は、行政機関が指定した「国の存立にとって重要な情報」について、政府外に漏えいしたものだけでなく、それを知ろうとしたものまで処罰するという法律で、これが成立すれば公務員の不正、汚職や災害、テロなどから避難するために必要な情報まで「国家機密」として隠蔽される恐れがあります。福島第一原発事故に際して、政府が放射性物質拡散予測の情報を有していたにもかかわらず、国民に隠蔽し続けていた事実を顧みると、大いに危惧されます。 
 私たちは9月11日に始まる辛い経験から学び、憎しみに対して報復で応じれば、際限なき破壊と殺りくに帰結することに気づかねばなりません。いかなる問題も決して武力では解決できないのです。憲法の平和主義をより豊かにすることで、相互が信頼しあえる未来を次世代に手渡すことを誓うことこそが、犠牲となられた方々と現在、未来への責任であると確信します。最後になりますが、戦争とテロの犠牲となられた方々に心より哀悼の意を表します。
  

以上 

2013年10月25日

立憲フォーラム​

 

三権分立を否定する憲法違反の特定秘密保護法の制定に反対する(声明)

 

 10月25日、安倍内閣は「特定秘密の保護に関する法律案」を閣議決定し、国会に提出した。与党は同法案を審議するため、衆院に「国家安全保障に関する特別委員会」を設置、「国家安全保障会議(日本版NSC)設置法案」とともに、今臨時国会での成立を目指すとしている。そもそも国民主権を原則とする民主主義国家として、政府が国民に対して「秘密」を持つこと自体に慎重でなければならない。国の持つ情報は本来国民のものであり情報公開の原則を徹底した上で、「秘密」は最小限かつ国民が納得出来るものに限定する必要がある。 

 

 しかし、同法案は「防衛」「外交」「特定有害活動の防止」「テロリズムの防止」が「特定秘密」に当たる判断されれば、すべてが秘密とされ、秘密を漏らした人、知ろうとした人は最高で懲役10年という罰則が課せられる。その対象は国だけでなく、都道府県警察や企業、一般市民となるため膨大な数の国民が関わることになる。

 しかも、「特定秘密」の範囲は広範かつ不明確であり、範囲を定めるのは各行政機関の長、大臣である。同法案には個別の秘密指定の是非を監視する制度は存在せず、内閣の承認があれば永久に秘密にすることができる。特定秘密を取り扱う者の「適正評価」の際のプライバシー侵害のおそれも強い。とりわけ懸念されるのは普通の市民の活動がテロリズムの名のもとに犯罪化されてしまう恐れがあり、公安警察保護法ともいうべき内容となっていることである。

 

 私たち立憲フォーラムは立法府にいる国会議員として、三権分立を否定する憲法違反の法案である特定秘密保護法案に強く反対するものである。国会は行政権力や司法権力から自立した存在であるにも関わらず、行政機関の長の判断一つで特定秘密が国会に提供されず、あるいは漏えいした国会議員が処罰の対象となる。国民を代表する国会議員が行政を監視するのではなく、行政によって国会が支配されかねない構造となっており、立憲主義のあり方を根底から蝕むものといわざるをえない、からである。

 統治機構の在り方、国民主権や「知る権利」など国民の諸権利や報道の自由を侵しかねない重大な法案にかかわらず、法案の概要が示されたのは9月上旬であった。

 

 このような重大な法案を、国民の広範な議論を抜きに、拙速な手続きと審議で今臨時国会で成立させることは断じて認められない。立憲フォーラムは、憲法の基本原理を尊重する立場から、「特定秘密の保護に関する法律案」に強く反対することを改めて表明する。重要な公的情報を適正に保管するための公文書管理法の改正、国民の知る権利を充実させるための情報公開法の改正こそが優先されるべきである。 

以上 

2013年5月3日

立憲フォーラム​

 

憲法記念日によせて

 

 1947年5月3日に日本国憲法が施行され、今日で66年が経ちました。

 戦後、日本は過去の戦争の反省から出発し、国民主権と人権の保障を要とする立憲主義のもと、日本国憲法は国民の間に定着し、日本の発展のために大きな役割を果たしてきました。

 いま、この日本国憲法が大きな危機に直面しています。安倍晋三首相らが、憲法改正の発議の要件を衆参各院の総議員数の3分の2から2分の1にしようと動き始めたのです。その理由に「日本は発議要件が厳しい」ことをあげています。
 しかし、これは事実ではありません。アメリカや韓国など多くの国が発議要件を日本同様に「3分の2」にしていますし、発議後も厳しい要件を備えています。では、なぜ2分の1に固執するのでしょうか。それは第9条などの改正がなかなかできないので、改正が実現しやすくなるように、まず「ルールを変えてしまえ」というのです。
 憲法とは、国民が権力者に守らせる最高規範です。これが、立憲主義の根本原理です。安倍首相は「国民の手に憲法を取り戻す」と言っていますが、自分たちが縛られている憲法という最高規範を、自分たちの思い通りに変えやすくする、ということは「国民の手から憲法を奪う」ことになりかねません。

 すでに明らかにされた自民党の憲法改正案は天皇を元首とし、自衛隊を国防軍にかえ、基本的人権を制限できるように「公共の福祉」を「公益及び公の秩序」にすりかえるなど、戦後日本社会の規範・枠組みを変えようとしています。また、4月28日には沖縄県民の抗議を無視して「主権回復」式典を強行するなど、改憲への地ならしを着々と推し進めています。
 また、日本維新の会は綱領で「日本を孤立と軽蔑の対象に貶めた」占領憲法を大幅に改定する立場を明らかにしました。こうした動きは憲法改正の是非の立場をこえて、立憲主義の土台を壊しかねない事態であると私たちは考えます。

 そこで、これらの憲法をめぐる動きに危機感を共有した超党派の議員が集まり、4月25日に「立憲フォーラム」を立ち上げました。
国民から「ここを変えないと生活に悪影響が出る」、「この条文があるために権利が侵された」などの声がたくさん起こって、はじめて、立法府たる国会で改正を検討するというのが真の憲法改正の筋道です。
憲法は主権者たる国民のものです。私たちは、このような国民をおきざりにした改憲の動きをくい止め、立憲主義を守るために、全力を尽くします。



以上 

2013年12月 5日

立憲フォーラム事務局長 江崎孝​

 

特定秘密保護法案の強行採決に抗議する(談話)

 

 本日、参議院国家安全保障特別委員会にて特定秘密保護法案が、与党単独により強行採決された。

 国会審議を通じて法案の持つ危険な内容が明らかになるにつれ、国民の不安は高まった。市民団体、法曹界、宗教者、ジャーナリスト、映画関係者、学者など各界各層、様々な人々が反対の声をあげ始め、その声は日増しに大きくなっていた。更には国連高等弁務官やニューヨークタイムス、国際ペンクラブなど、海外からも慎重審議を求める声が出されていた。そのような中、国民の不安、不信の声に真摯に耳を傾けると言い継げてきた政府・与党が、最後はその声を完全に無視して行った強行採決は、国民の言論を封殺するに等しい近年まれに見る暴挙であり、断じて許すことはできない。

 

 同法案はこれまでの衆参両院での審議において数多くの問題点を指摘されてきた。しかし政府側の答弁では疑問は払拭されるどころか、ますます欠陥のある法案であるという実態が浮き彫りとなった。昨日の質疑で安倍総理から唐突に示された第3者機関の在り方も法的に何ら担保されたものではなく、議論を収束するための稚拙なごまかしであると断じざるを得ない。

 そんな不十分な審議状況でありながら本日16時、中川委員長は突然審議を打ち切り、採決を強行したのだ。事前の理事会において与党側から採決に触れる発言は一切無く、加えて騒然とする委員会室では採決を求める委員長の発言も全く聞き取れないという異常極まりない中で強行された採決が、正当なものとは到底認められない。

そもそも中立な立場で円滑な審議に意を尽くすべき中川委員長は、野党からの真っ当な要求を取り上げることなく、恣意的な委員会運営を取り続けた。結果、衆議院での審議時間40時間55分に比し、参議院での審議時間は21時間余り、参議院軽視を自らが体現してみせ、言論の府である国会の権威を失墜させたのである。

 

 手続を重んじる民主主義を否定し、安倍総理・官邸が決めたことが全てとの姿勢の自民党・公明党は、政権とともに独裁政治の道をひた走っている。安倍政権が、今後、集団的自衛権行使の解釈容認と法的追認、更には憲法改悪へと突き進むことは明白である。国民の知る権利、報道及び言論の自由など基本的人権の根幹を否定し、言論統制により戦争へと突入していった戦前へと社会を回帰させるような政治を一日も早く止めなければならない。立憲フォーラムは、国民と連携し、今後も徹底して対峙していく決意である。

 

以上 

2013年11月26日

立憲フォーラム​

 

衆議院国家安全保障特別委員会、本会議での強行採決に抗議する(声明)

 

 本日午前、与党は特定秘密保護法案を衆議院の国家安全保障特別委員会で強行採決し、午後には衆議院本会議で強行採決した。

 私たち立憲フォーラムは、「国民主権を原則とする民主主義国家として、政府が国民に対して“秘密”を持つこと自体に慎重でなければならない」との立場から国民の知る権利など基本的人権を侵害し、三権分立という憲法の基本をないがしろにする同法案に強く反対し、廃案すべきだと主張し、院内集会などを活発に開いてきた。また、徹底した情報公開の必要性も訴えてきた。

 

 同法案が衆議院の特別委員会で審議されるや、秘密の範囲があいまいで秘密の範囲が拡大すること、国会のチェック機能が働かないこと、秘密指定の是非を監視する制度の不在、秘密指定の解除ルールが不透明であること、特定秘密取扱者の「適正評価」の際のプライバシー侵害の恐れ、報道の自由が規制されること等、数多くの問題点が委員から指摘された。しかし、森担当大臣の答弁は訂正を重ねるばかりで、これらの疑問に到底答えるものではなかった。審議を急ぐな、あるいは廃案にすべきだ、という世論が急速に高まる中での今回の強行採決である。

 

 11月25日に開かれた福島での地方公聴会では自民党や公明党など与党が推薦する陳述者も含めて全員が反対の意見を述べた。日弁連や自由人権協会、日本ペンクラブなどのほかジャーナリストや宗教者、NGOなど広範な人々から特定秘密保護法案への反対が表明され、またパブリックコメントや新聞社の世論調査でも反対する国民の声が圧倒的である。世界ペンクラブや日本外国特派員協会など、諸外国の作家やジャーナリストが「報道の自由及び民主主義の根本を脅かす悪法」として反対を明らかにしていることもかってなかった事態である。また、運用に司法の監視もなく、本年6月公表の「国家安全保障と情報への権利に関する国際原則(ツワネ原則)」からも逸脱しているとの米政府高官からの指摘すらある。与党は、国際社会や国内から上がる、こうした懸念や疑問にていねいに答えることをせず、審議を打ち切り、強行採決という最悪の挙にでた。特定秘密保護法案は、戦後の憲法を柱にした社会を戦前のような国民に正しい情報が与えられず、自由な発言を封じられた社会へと回帰させかねない。歴史的な責任からも私たちは参議院で徹底した審議を通じ、疑問点を国民に示すとともに、広範な反対運動と連携し、特定秘密保護法案を廃案にするために全力をあげることを表明する。

 

以上 

2013年12月 6日

立憲フォーラム

 

特定秘密保護法の成立に抗議し、安部政権の暴走を共に止めましょう(声明)

 

 議会制民主主義を平気で踏みにじり、国民の声を完全に無視した卑劣で暴力的な安倍政権と与党の特定秘密保護法案の強行可決に、私たちは強く抗議します。戦後築いてきた自由と平和を求める日本社会を根底から突き崩し、戦争のできる国家へ突き進む暴走安倍政権への対決を強め、この間、同法案に反対や不安の声をあげた多くの皆さんとの連携・協力を一層深め、立憲主義を貫くための活動を行っていく決意を、ここに改めて表明します。

 

 この間、与党が行った国会の運営はあきれるほど杜撰で、強行、場当たり的でした。この法案の参議院の審議はわずか1週間・21時間余、さらには内閣・経産の各委員会の民主党の委員長を2人解任するという前例のないことを行い、通したい法案を押し通しました。また、法案への批判が高まるや、会期2日前の12月4日に内閣官房に「保全監視委員会」など3機関設置を提案、翌5日には別組織を設けるとする等、日替わり、猫の目のように変わる提案を会期末のギリギリに出してくることは、如何に生煮えの、欠陥法案であるかを示しています。そして、衆議院特別委員会と本会議、参議院特別委員会と本会議の合計4回の強行採決です。

 

 この法案に対する批判、抗議の声はかってない広がりをみせました。NYタイムズの社説や、102カ国の作家らでつくられている国際ペンクラブ、国連のピレイ人権高等弁務官ら国外からの強い批判も異例なことです。国内では被災地福島での公述人全員、地方自治体や首長、日弁連など法曹界、新聞労連や出版労連らマスコミ関係、宗教界や連合、益川敏英・白川英樹氏らノーベル賞受賞者ら2000名の「学者の会」、そして吉永小百合さんら映画人の反対声明などなど。言論の自由が奪われることへの不安と、民主主義の基本が政府の透明性にあるのに逆行していると指摘したのです。

 

 燎原の火のような勢いで広がる反対・廃案の声に慄いた与党は、問答無用とばかりに臨時国会での成立を強行したのです。しかし、私たちはここに安倍政権の弱点がある、と考えます。口で経済重視と言いながら、国内の格差をひろげ、何が何でも日本国憲法を空洞化し、戦争のできる国に強引に引っ張っていこうとするのが政権の根本姿勢だということに、多くの人々が気づき始めています。国民をみくびった安倍政権のやり方への怒りを忘れることなく、年明け以降、安倍政権が繰り出す国家安全保障基本法案や集団的自衛権容認などに、反撃していきましょう。立憲フォーラムは立場を超えた多くの人々と共にその一翼を担う決意を、ここに表明します。

以上 

2013年12月27日

 

安倍総理の靖国神社参拝に抗議する(声明)

立憲フォーラム 

代表 近藤昭一

 

1.12月26日、安倍総理は靖国神社への参拝を強行した。これは、憲法第20条の「信教の自由」や憲法第89条の「政教分離の原則」などに明確に反するものであり、立憲フォーラムとして強く抗議するものである。また、侵略戦争の責任者であるA級戦犯を合祀し、戦争を賛美する思想を流布している遊就館を併設する靖国神社に政府を代表する総理大臣が参拝することは、戦争への反省をあいまいにするという意味でも許されない。

2.安倍総理は就任直後から「河野談話」や「村山談話」を見直して、21世紀にふさわしい未来志向の談話を発表したいとの意欲を見せていた。国内外から強い批判を受けて「継承する」と転じたものの、その後も「強制連行の事実はない」、「侵略の定義については学界的にも国際的にも定まっていない」などと問題の多い発言を繰り返し、「歴史を否定する修正主義者」との批判を受けている。このような中で靖国参拝を断行したことは、アジアの国々だけでなく米国やEUからも厳しく批判されている。

3.かつてわが国が引き起こした侵略戦争や植民地支配によって、甚大な被害を被った中国、韓国をはじめとするアジア諸国民の心情ばかりでなく、国の間違った戦争で犠牲にされたわが国国民の心情をも逆なでし、わが国とアジア諸国との信頼関係を大きく破壊することになることも必至である。

4.戦争犠牲者を追悼するには独りよがりな歴史観のもとで憲法の精神を踏みにじり、中国・韓国をはじめとするアジア諸国との信頼関係を破壊することではなく、平和憲法の理念を守り二度と戦争を引き起こさない平和国家・日本を建設していくことこそが重要だ。立憲フォーラムは、安倍総理の危険な政治姿勢に対抗し、立憲主義を擁護する立場から取り組みを続ける決意である。

以上